自転車徘徊紀行 第24話 箒川流域の穀倉地帯

2023年7月13日

八代平野では、広大な干拓地を利用した稲作やトマト等のハウス栽培が盛んである。起伏が無く、交通量の少ない道路も多く、のんびり走っても飛ばしてもそれなりに楽しく走れるが、風景としてはやや雑多な印象である。
それに対して、二年くらい前まで住んでいた栃木県の矢板市の近郊、那須塩原市や大田原市あたりに広がる那須野が原、中でも箒川流域の一面の稲田の風景は、何とも清々しく美しかった。
私は頑張って走るのが嫌な時、北から南にかけて緩い傾斜が長々と続いている扇状地の農道のコースを選ぶことが多かった。
標高差100mを10kmかけて下る感じだ。
特に、強い北風が吹くときは延々と10km以上を、ほとんどペダルを回すことなく進むことが出来た。
こんなに楽しいことはない。
この楽しさを味わうために、矢板市内より、高原山の麓のややアップダウンのある道を走り、多少の労力は使うことにしていたが・・・。

 

ほとんどが、稲田で一枚一枚の田は広大であるが、よーく見ると段々畑になっている。
水路を流れる水はとてもきれいである。

北(塩原方面)を見る
南(矢板方面)を見る

 

現在住んでいる八代平野は干拓地であり、海の気配や潮の香りが漂うところだが、ここは高原山や那須高原から清楚な風が吹き降ろしてくる。
二つの地域の空気の質は全く異なると感じる。

ロードマップにはあまり記載されていないような農道が何本も縦、横に走り、未舗装の道や行き止まりの道も多い。
単調な風景かもしれないが、四季それぞれで色々な表情を見せてくれる。
私が一番好きなのは、一面の緑の田んぼを渡っていく風が見える今頃の時期だ。

7月の風景

 

稲刈りの頃の金色の田んぼの風景も素晴らしいと思う。

9月の風景

毎日、八代平野では、うだるような暑さが続いるが、同じ気温でも爽快に走れた那須野が原の田んぼ道が恋しくなった今日この頃なのです。