ウェアラブルスピーカーの試作~柔軟BOXにトライする

2022年9月11日

装着性の向上のために

背もたれ時の背中のスピーカーBOXの違和感を改善する方法として、スピーカーやBOXすべてを、前面、例えば胸の前にチェストバッグの様に配置することも考えたが、胸の圧迫感が嫌ですぐに諦めた。
背中にスピーカーを背負ったうえで、違和感を改善する方法として、スピーカーBOXを柔軟な素材とし、スピーカーBOX自体にクッションとしての働きをもたせることにした。
ただ、あまりにフニャフニャだと圧力で潰れてしまい空気室として働かなくなるので、ある程度の硬さが必要だと考えた。
そこで、ホームセンターに普通に置いてある緑色の散水用のホースを使ってみることにした。
幾つかのサイズがあるが、外径38mmのものを選ぶ。
↓これです。商標かもしれないがソフターホースというらしい。

気になったのは重さだ。厚みが3mmある。

振動発生部の位置

蛇腹の振動発生部は胸付近に配置し、肩を挟んで前後の重さのバランスをとり、リュックの様に腕を通さない肩に乗せる方式をとった。
諦めたネックスピーカー型と言えなくはないが、そこは柔軟にやってみるのがモットーである。

試作機を作る

以下、緑のソフターホースを使った試作機だ。

 

内部構造
内部構造

 

外観写真
外観写真

外観は革で作成した。

評価結果

一番の評価ポイントの背中の感触は悪くない。
目論見通り、ホースがクッションの働きをしている。
振動は背面のスピーカーから2本のチューブで長く引っ張り、胸部に配置する2個の蛇腹を駆動することで発生するが、1個のスピーカーユニットで2個の蛇腹の駆動は力不足だったようだ。
2本のチューブも長く、空気の容積を大きく持つため、そのことも蛇腹を振動させる力を弱めてしまったようだ。
前に配置したこと自体は振動を自然に感じる効果があるようだが振動不足だ。

ホースを使った柔軟なBOXにしたことにより、新たな効果も生み出した。
BOXが体に密着すると、そこから大きくはないが振動が体に伝わってくる。
蛇腹による振動効果が60Hz以下にあり、それよりも高い帯域(60~100Hz付近)をカバーするように振動する。
今後、このことも利用していこう。

前後の重量バランスはとれるかと思ったが、大きく動くと後ろにずれていく。
懲りずに進めた肩に乗せる構造はあきらめよう。

柔軟なBOXを使い装着性と振動の改善を目指す

前進は少しずつだけど、次のポイントを念頭に次の試作機を作る。

  • ホースを使うことによる装着性の改善とホースの振動効果の活用
  • 低音用スピーカーユニット1個で1個の蛇腹の駆動とし配置を再考する
  • リュックタイプ

ホースが重い・・・。別の材質のものも次の次あたりの試作で考えよう。