柔軟BOXの共振対策(1)

以前、ひごもっこすんのウェアラブルスピーカーは振動と揺れを発生させるという投稿を行った。
この中で記載しているように、柔軟BOXとよぶスポンジで出来た第2空気室が、40~120Hzくらいの振動を発生する。

振動と揺れ(ウェアラブルスピーカー)

この振動は、振動生成部が生み出す、20~40Hz の振動(揺れ)と合わせて、臨場感に大きく貢献するのだが、柔軟BOXはスポンジで出来たエンクロージャーであり、スピーカーをDIYするための参考書などで書かれている原理原則とはかけ離れた構造だ。
一般常識ではスピーカーのエンクロージャは木や分厚い樹脂で、極力びくともしないように作るものだ。
気を付けて作っても、エンクロージャーの形によっては、箱が強力な細かい振動を発生してしまい、ビーンとかキーンとか耳障りな付帯音を発生することがある。
今回、この常識に反して、スポンジのエンクロージャー(柔軟BOX)で音を出しつつ、振動効果も得ようと欲張っているので、何か都合なことが生じても全く不思議ではない。

なるべく、低域の音が含まれるジャズの曲を色々と聴いていくと、柔軟BOXがビリビリと強く振動する箇所があり、単一周波数の信号で調べてみると、100Hz付近でスポンジが細かく強く振動する。
どうも、その付近の周波数で共振するようだ。

スポンジの長さや硬さを変えることを考えたが、共振周波数がいくらか移動するだけで、大幅な改善は出来ないだろう。
柔軟BOX内部に吸音材を入れたり、外壁にPPの板を貼り付けたりしてみたが、これも、わずかな改善にとどまった。

色々と考えたあげく、特定のコンテンツで特定の箇所で発生するのであれば、割り切ってあきらめる選択も頭をよぎったが、ダメもとで下の構造を試すことにした。

第2空気室はビニールチューブ(ホームセンターで販売している内径20mm程度のやつ)にフタをしたもの。
それをスポンジの筒に挿入し、スポンジの筒とビニールチューブのリング状の隙間がバスレフのダクトとして働くのだ。

大胆な発想の転換であるが、大丈夫だろうか?

つづく