満月が矢山岳のど真ん中から昇る

NHKのニュース(吉野ヶ里遺跡と満月)の件

数日前、NHKの九州版のニュースにおいて、吉野ヶ里遺跡の建物群の軸線が最も高く昇る時の満月の出現方位と一致することがVRの技術なども活用して明確になった旨、取り上げていました。

ものすごくおおざっぱにいうと、

月は東の地平から昇りますが、冬至の頃が最も北寄りの方角(Aとします)から昇り、夏至の頃が最も南寄りの方角(Bとします)から昇ります。
このA-Bの幅が最も広い時期(極大期)と最も狭い時期(極小期)の間は約9.3年、つまり、約18.6年を周期として極大期、極小期を繰り返しているとのこと。

最初に書いた吉野ヶ里遺跡の建物群の軸線が月の昇る方角に合わせてあるというのは、極大期の最も北の方角に寄ったところから昇る満月に合わせてあるということらしいです。

私の付焼刃的な知識では、これ以上の説明が困難なので、ニュースに登場した研究者の北條芳隆氏の下記からDL出来る資料をご参考ください。

北條 芳隆 (Yoshitaka Hojo) – 吉野ヶ里遺跡と北限の満月 – 講演・口頭発表等 – researchmap

古代日本人は太陽よりも月を重要視したのでしょうか?

じゃあ、八代平野のマウンテンサークルにあてはめると・・・

今まで、月と地形の関連については考えてこなかったのですが、ステラナビゲーターで調べると、極大期の月が最も南から昇る時、日岳ー矢山岳の方角に一致しそうなことがわかりました。
観測地点はもちろんサークルセンターです。

2022年、2023年、2024年、2025年、2026年、間を飛ばして、2030年と6枚の画像を並べました。
日時は夏至に近い満月の日になります。
2024年、2025年あたりが、極大期で最も南寄りの方角から満月が昇ります。

■2022年 6月14日

ステラナビゲータで作成した画像にコメントを書き込んだ。
地形データは標高50m単位の分解能とのことで、それが原因と思うのですが、日岳と矢山岳が結構ずれて見えます。
実際は、矢山岳と日岳はもう少しきれいに重なって見える。

黄道:天球上の太陽の通り道
白道:天球上の月の通り道

■2023年 7月3日

■2024年 6月22日

単なる偶然にしては出来過ぎではないのか?

■2025年 6月30日

単なる偶然にしては出来過ぎではないのか?

■2026年 6月30日

■2033年 6月13日

 

これを見ると冬至の頃、最も北寄りの方角から昇る満月に合わせた吉野ヶ里遺跡とは逆で、夏至の時期、月が最も南に寄って昇るときの方角に矢山岳や日岳が位置します。
つまり、2024年や2025年には、ものの見事に富士山の頭のような形をした矢山岳のど真ん中に満月が姿を現すということになります。

さて、天の川銀河の中心と満月と日岳ー矢山岳ラインが一致することはあるのか?

これはステラナビゲータで調査し後日報告します。