ウェアラブルスピーカーの試作~最終の部品配置を決めるぞ!

これまで、低音用のスピーカーとBOXや振動部分をどこに配置するか、さんざん試行錯誤してきたのだが、今回の試作で完全にFIXしたいと思う。
その後は、外観のデザインをカッコよくすることに力を入れたい。

部品配置

スピーカー、振動生成部、BOX(空気室)、低音用のダクトを全て、身体の前面の胸から脇腹あたりに配置することにする。
背面はサスペンダーで配線コードくらいは通すが、音響部品は一切搭載しない。
イメージは下図のとおり。

 

低音、振動生成部

左右に一対配置するが、一つを少々細かく描くと下の通り。

 

各部品は基本的には直線状に配置され、振動生成部の振動も並びの方向に発生する。
柔軟BOXを体に密着することで、40Hz~120Hzの帯域の音が体を通して聴覚器官に伝わる。
振動生成部は、20Hz ~40Hz の帯域で振動を生成、体感としては揺すぶられる感覚に近い。

期待する効果

体感音響に関して、大学の研究論文などを調査していると、振動を加える場合、当然ながら、身体全体に渡り行った方が効果が出やすいとある。
ただ、ウェアラブルな製品においてはそうするわけにはいかないので、肩の上に乗せる機器を想定し、鎖骨に加振した場合と、近くの皮膚に加振した場合とについて、音の感じ方を比較実験した論文があった。
結果、皮膚よりも鎖骨に振動を加える方が、条件にもよるが、概ね良い結果が得られていた。
つまり、骨に振動を加える方が、より振動の効果が体に伝わりやすいということだ。

今回、上の図に示した配置としたのは、振動発生部の振動が、ショルダーベルトを通して、胸から鎖骨、肩の広い範囲にわたり伝わり、柔軟BOX を胸付近に密着することにより、柔軟BOXの振動が胸骨へ伝わりやすくなるためだ。
また、サブウーハーと振動生成部は重量が大きい部分で、それを伸縮するスポンジの柔軟BOXで吊るような形になる。(実際は革などの外装に覆われるため、完全に吊り下げるわけではないが)
吊り下げられた下端部分で発生した振動は、柔軟BOXを伸び縮みさせるため振動が伝わりやすくなるはずだ。
背面のサスペンダー部もサブウーハー+振動生成部を背中側から吊り下げているため、振動は背面へも伝わることになり、背面にもある程度の振動効果が期待できると思う。
また、柔軟BOXが胸付近にありフレキシブルに曲がるため、装着感は良好なことが期待できる。

まとめ

これまでになく、すっきりと理屈に基づいた部品配置を決めることが出来たと感じている。
この内容で試作を進めていこう。