体感音響の話

私が自作しているウェアラブルスピーカーでは、振動が重要と考えてますと書いてきました。
振動を感じたら、映画なんかリアルに感じるよねというのは感覚として理解できるかなと思います。

実は行ったことがないのですが、最近の映画館では、音以外の要素で振動や閃光、香り、風、水しぶきなどが体感できるらしく、その進化にはびっくりです。
ネットの映像で見ると、遊園地のアトラクションのように、座席が上下左右に大きく揺れ、背中ではズンズンと強烈な振動を感じることが出来るらしい。

この振動効果を家庭で簡単に生かせるようにしようという事で、振動素子をソファや枕に組み込んだり、身体に着けたり、ネックスピーカーにも取り入れた商品が販売されています。
でも座席の揺れまで発生させるのは難しいみたいですね。

「体感音響」という言葉をネットで検索すると、そのような商品が多くヒットするのですが、臨場感を高める以外にも、心身を元気にする効果があるようです。
そこでよく例に出てくるのが、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」です。
ゴーシュが毎晩チェロの練習をしていると色んな動物が訪ねて来ます。
その中で子供の病気を治してほしいとやってきた野ネズミがいて、子供をチェロの孔の中に入れて演奏すると病気が改善する話があります。

宮沢賢治は科学に対しても広く深い知識を持っていたと言われているので、楽器から出る音の振動が体に良い効果を与えることも十分理解していて書いたのだと思います。

音楽や映画に何を求めるかは、人それぞれかと思いますが、振動をうまく取り入れることで、誰にでもよりよい効果を生み出せるものと信じています。