自転車徘徊紀行(第33話)群れる生き物たち

八代海に面する氷川町や宇城市の平野部の多くは干拓地であり、しかも、車の通りが少ない農道が多く、安心してポタリングが出来る。
ポタリングは川沿いを下り、防潮堤に沿った道を走ることが多いので、水辺の生き物たちがよく目に入る。
今の寒い時期は、多くの種類の水鳥で大変にぎやかだ。

池に浮かぶカモの群れ
警戒し岸から離れるカモたち

「ガアガア」とうるさいカモの群れが浮かんでいる池のほとりの道を進んでいく。
すると、あちこちで「ピィーヨ、ピィーヨ」という甲高い声がする。
恐らく、仲間に警報を鳴らしているのだろう。
さらに近づいて行くと、一斉に群れが飛び立ったり、岸辺から慌てて離れていく。
カモたちは警戒心が強いのである。

時々、群れが道路を横切り、畑や田んぼの中で草や農作物を食べているのを見かける。
農家にとっては害鳥でかなり困っていると聞いたことがある。
先日、路上でカモの群れに遭遇した。
逃げないようゆっくりと近づいて行くが、10mくらいで逃げられてしまった。

農道を横切るカモの群れ

カモと並んで、オオバンの群れもたくさん見かける。
彼らは、カモよりも警戒心が少ないようで、5mくらいまでは近づくことが出来る。
ぎこちなく歩く姿は、ペンギンを連想させて愛嬌がある。

 

農道を横切るオオバンの群れ
オオバンはぎこちなくバタバタと川に飛び込んでいく
密集する鳥たち

この前、よくわからな鳥の密集した群れを見かけた。
岸から20mくらいだろうか?
100羽くらいはいるようだ。
その中に1,2羽のカモメも混じっているが、その他は距離と身体が小さいせいで、どんな種類の鳥かわからないのだ。
なんとなく、小型のカモのようではある。
押し合いへし合いし、水しぶきを上げながら少しづつ移動している。
魚を追いかけているのかもしれない。

しぶきをあげながら少しづつ移動していく

群れるのは鳥だけではない。
元旦の寒い午前中に川のほとりの道を走っていたとき、川の中を見てギョッとした。
40~50センチくらいのコイの群れがじっとしていたのだ。
100匹くらいいたと思う。
写真を撮ろうと携帯を探してゴソゴソしていると、気づいたコイの群れは、川底の泥を巻き上げて一斉に散らばっていったのでありました。

泥を巻き上げて逃げるコイたち