ウェアラブルスピーカーの試作~最終の第2弾

第1弾の課題対策内容

最終の第1弾の課題は、

  1. 左右スピーカの取付位置アップ
  2. アタック音での歪(軽量化とのトレードオフをどう考えるか?)
  3. 身体への密着性を確保する外装設計
  4. 可能であれば本体長さを短く

だったので、第2弾の設計で対策をはかった。
1と4は左右のスピーカーと低音用のダクトが重なる配置で単純に上方向にシフトすることで対策。
2はどこまで求めるかだが、爆発音の入っている様々な音源を大きめの音量で聴いてみた結果、嫌な歪音になるのは許容出来なかった。
ここは重量(60gの軽量化)を取るか、大きめの音量時の音質を取るかということだが、後者を選択する。
すなわち、Tymphany PMT-37N28AL01-04 をあきらめて、BOSEもどきのスピーカーユニットを選定することとした。
3は第1弾で本体の大きく切り欠いていて、本体の柔軟性を高めていたが、今回、胸に当たる部分を薄く柔らかい山羊革で覆うことで密着性を確保する構造とする。

最終の第2弾

実際に作ってみた第2弾がこれ。

最終の第2弾全体写真

 

第1弾と比較し、本体の長さが約90mmほど短く出来た。

第1弾(左)との本体同士の比較

革はバッファローのボルドー色の厚く硬めのものを全体的に使用したが、部分的に薄く柔らかい山羊の革を使用している。これにより、装着時、柔軟BOXが胸部に密着する。

 

最終の第2弾の柔軟BOXが入っている部分。柔らかく薄い山羊革を体に当たる側に使用。

下記の写真の上方の白い部分が低音用ダクトの出口であり、極力、耳元に近いところに配置したが、その効果は周波数特性に反映されている。

右スピーカー内蔵部分。ここの丸くカーブしている部分の組み立てが難しい。

 

評価結果

・大音量でも異音がなく、低音の音圧が非常に力強い。
・低音用ダクトを近づけたため、低音が若干ブーミーであり、男性の声が少々響くが、アンプのサブウーハーレベルを下げれば改善する。
・左右スピーカーも耳に近い位置に持ってきたので、8kHz以上の音圧が改善した。

最終の第2弾の周波数特性
【参考】最終の第1弾の周波数特性

 

・装着性:鎖骨付近がやや窮屈
・柔軟BOXの部分のフィット感が良い。
・重量は810g(第1弾:690g)。
おおよそ、スピーカー変更によるアップ分60g、革の材質によるアップ60gと考えられる。
装着時、重さと革の硬さ(ゴワゴワ感)も少しだけ気になる。

第2弾まとめと次回での対応

次回は第2弾の外装の課題の改善をはかりたい。

  • ショルダーベルト部と本体との接続部の自由度が少ないことが鎖骨の痛い原因なので、D環の金具を使ってショルダーベルト部に対する本体の可動域を広げる
  • メインスピーカー付近の組み立てがかなり難しいので、作りやすいデザインに変更する
  • 中をメンテする手段がない → ファスナーで開け閉め出来るようにする
  • 革の選定は軽さや柔軟性を重視する

<<つづく>>