謎の中心「矢山岳」に登る

最近、自転車で平地ばかり走っているので、久しぶりに、八代平野の山並みの謎シリーズで登場する山の中でも特別な存在である矢山岳(肥後の小富士)に登ることにした。
なぜ、特別かというと私の説(人はトンデモ学説と呼ぶ)によれば、超古代人が銀河系の中心を矢山岳―日岳ラインの方向に合わせて、天体を模して八代平野の山並みを形作ったからである。つまり、矢山岳は銀河系の中心方向に位置する聖なる山なのだ。

<驚愕>八代平野の山並みは古代人が天球を模して造った!(2)

 

矢山岳は八代市の泉町の中心部より西側のすぐ近いところにあるが、逆に東方面に進むと笹越え峠を経て平家の落人伝説の残る五家荘に至る。
五家荘は九州山地の懐深くに位置し、二本杉峠や子別峠(こべっとう)などの峠を越えて行くことになるが、どの峠も勾配がとてもきつい。
今は紅葉のシーズンで休日には五家荘周辺では交通規制もあるようで要注意だ。また過去の災害で復旧していない箇所も数多くあるようだ。

五家荘の紅葉シーズン、交通規制を発表 台風被災の県道、3日から通行可(熊本日日新聞) – Yahoo!ニュース

 

矢山岳は標高869mで、地元の郵便番号と同じで覚えやすく、舗装路が山頂まで通じているが、五家荘の峠同様かそれ以上に勾配がきつい。
矢山岳を登るのは3回目だが、1回目は40年くらい前のまだ若いころ、2回目は10数年前の運動不足のころだ。
1回目もつらかったが、特に2回目はお盆の頃で、最後、暑さで頭がくらくらして、1kmくらいずっと自転車を押して歩いた。今回は自転車から何度降りても、なんとか押さずに行きたいと思う。

氷川に沿って矢山岳を目指す。国土地理院「標準地図」と「色別標高図」を重ね、図形・文字を追記して掲載。

今日はとても良い天気だ。
一番高く見える台形の富士山の頭のような山が矢山岳だ。

澄んだ秋の空に矢山岳が美しい

泉町の中心部まで氷川をさかのぼる。
途中、立神や五反田の自然岩で出来たアーチ橋を通過するが、紅葉にはまだ早いようだ。

立神峡
まん中の家の屋根の少し上にアーチ型の自然石の橋が見える

氷川ダムに行く途中から見た矢山岳だが、台形の形を保ったまま眼前にせまってきた。

どっしりとした矢山岳

 

氷川ダムは矢山岳の直下にあるといってもいいかもしれない。

氷川ダムの上

氷川の清流を右手に見ながら更に進むと、学校や警察署、多少の飲食店がある泉町の中心に到着する。

ここから、五木村方面に進む。五木の子守歌の悲しい歌詞の舞台である子別峠を越えて五木村に至る道だが、少し行ったところで通行止めの看板が出ている。その手前を矢山岳へ分岐するとすぐに急登にさしかかる。

泉町中心部より矢山岳の急登。国土地理院「標準地図」と「色別標高図」を重ね、図形・文字を追記して掲載。
本格的な登りの始まり。舗装路だがかなり荒れている。

6kmで標高差約620mは私にとってはかなりつらい。
何度も足をつきながらも何とか栗木六大神社にたどり着く。西暦391年頃創立とある由緒ある神社だ。建物もかなり立派。

栗木六大神社案内板
栗木六大神社

 

ここから更に勾配を増したジグザグの道を登っていく。
何度も足をつきながらも頂上直下までだどりついたが、あと100mくらいの地点で乗るのをあきらめた。ここが最大の勾配ではないだろうか、大げさかもしれないが道が壁の様に見えた。

頂上に着くと展望台に3人ほどいただけで、あまり人気がないようだ。
しかし、展望はすばらしい。西を見れば八代平野と八代海、宇土半島が一望できる。
振り返れば、九州山地の重畳たる山並みが見渡せるが、紅葉を十分楽しむには一山超えねばなるまい。

山頂より五家荘方面を見る

 

矢山岳との関連が深いと考えられる日岳は、低く小さいながらはっきりと確認できた。
しかし、今回、ぜひとも、高所からのサソリの地上絵を確認したかったが、残念ながら木々に遮られて半分しか見えなかった。

八代平野、八代海、そして、宇土半島、雁回山も見える
サソリの地上絵?方面

めいっぱい下げたサドルにまたがり、こんなにも急こう配だったのかと恐る恐る下りながら、山頂で出会ったおばあちゃんの「ようがんばんなったね」の言葉を思い返していた。
しかし、最後に自転車を押して歩くことになったのは悔しい。
次はがんばろうかね。

<<おしまい>>