竜峰山逍遥(3)

私は、山の形がかなり気になってしまい、関連して色々と投稿してきたが、竜峰山の西側の稜線についても、円弧のように見えることから、南天の星の軌道に沿っているのではないかと述べた。

今回、竜峰山の稜線に注目してみようと思う。

竜峰山の西側の稜線は、他の部分と比較して妙に滑らかで不思議な気がするが、ふもとから見ると稜線が描く円弧の形が際立つ。

ふもとの池より竜峰山を見る

この稜線はどこかで見たような気がして、よく考えてみると三輪山だと思い当たった。
三輪山は奈良盆地の南部の桜井市にあり、日本最古と言われる大神(おおみわ)神社のご神体であり、西から見た姿はピラミッド状の美しい山だ。
下の写真は天理方面(北側)から見た写真だ。
天理に住んだことのある私は、時々、この美しい山を仰いだものだが、竜峰山と結びつくことはなかった。
こうやって、上下の写真を見比べてみると、すそ野が長く緩やかに伸びて、右側に広々と平野が広がるため、よく似た印象になるのだと理解できる。

奈良盆地の天理方面より三輪山を見る

しかし、よーく、稜線のカーブを見て欲しい。
何か不思議な感じがしないだろうか?
稜線が、上に反っているか、下に沿っているかの違いがあるのだが、山をひっくり返して重ねると、ぴったり合わさりそうな予感。

分かりやすいように、国土地理院の地形図とツールを使って断面図を作ってみた。
右上のグラフが結果だ。
始点から終点の経路に沿って進んだときの距離を横軸、標高を縦軸で表現してある。
北側から見た場合の稜線の形を見たいので、尾根筋を進むように始点、終点の線を引いてみた。

竜峰山西側稜線の形状を見る
三輪山西側稜線の形状を見る

ほぼ、掲載したそれぞれの写真の山の稜線と合っていると思う。

上図の竜峰山と三輪山の断面図を並べたのが下の図だ。
竜峰山の稜線を赤線でなぞり、その線を上下左右反転したうえで、三輪山の稜線付近に置いてみた。
縦軸のスケールは少々伸ばしているが、三輪山の山頂より左を除けば、稜線にほぼぴったりと重なる。

 

「だから何なん?」と言われそうだが、郷土の竜峰山が聖なる三輪山と何かつながりがありそうで少しうれしかった次第。
三輪山周辺では龍神信仰があるとのことなので、竜を介したつながりがあるというのは、あながち絵空事ではないのかもしれない。

<つづく>