ウェアラブルスピーカーの試作(4)
変更内容
前回紹介した茶色の革の外装の試作機だが、しばらく使うと、2つの課題が出てきた。
- 低音用のダクトの共振は80Hzくらい。もう少し、60Hzくらいまで下げれないものか?
- 後ろに背負う部分が縦長で厚みがあり、ソファにもたれて座ったときやっぱり気になる
1の原因はスペース的にダクトの距離が稼げなくて、極力伸ばしたがこうなった。
細くすると共振周波数は下がるが、風切り音が目立つようになると予想。
そうだとすると、ダクトを太くして長さをもっと長くしてみるか。
そのために、肩越しに通しているチューブを腕の下、脇腹付近を通過させ胸あたりで開口させよう。
シミュレーション上では共振周波数が60Hz くらいに下がるはず。
2は円筒形のBOXを縦に配置して外装も余裕持って大きくしたのが原因。
横向きに配置して、外装もぎりぎりまで小さくし、小さなランドセルっぽい感じのデザインにしてみよう。
赤いランドセル
価格の安い床革(用途に合わせて革を薄くする漉き加工時に、革の表面である“銀面”を取り除いた内側の層の部分)を使って作成した試作機を2つ紹介する。
レザークラフトの練習も兼ねて頑張って作った。
生成りの革のリュック型試作機
試作機の写真
ダクトの共振周波数は60Hz付近になり、低音特性は良い感じだ。
BOXの写真が残っておらず、分解して部品を再利用したため跡形も無くなっているが、横向きの円筒を2つ上下に並べたと思う。
思ったよりごっつく、約1kgと重くなり、装着感が芳しくない。
嫁さんに見せたら、女性が使えるようなデザインにした方が良いなどと言われてしまった。
赤い革のリュック(ランドセル)型の試作機
嫁さんの意見も反映して、色だけでも可愛くしてみようとピンクっぽい赤色の革を選んだ。
生成り色の試作機と大きくは変えていないが、極力、低音用スピーカーBOXがコンパクトになるように、BOX構造を工夫し、二つの円筒形を一つの円筒形にした。
それに合わせて、ランドセルの本体に相当する部分は、正方形に近い、断面が薄いかまぼこ型になるようにした。
結局どうなんだ?
赤いランドセル型は、本体の大きさが約20㎝四方で最厚部が8㎝弱、重量約800gとだいぶコンパクトで装着感はまあまあ。
ソファにもたれても形状の効果か気にならない。
寝転がるわけにはいかないが、そこは割り切ろう。
低音感も良好。
しかし、問題があった。
間違いなくダクトが長い(75㎝)ことに起因することだと思う。
周波数特性において、200Hz~250Hzに鋭いピークを持っているのだ。
このせいで人の声に不自然な響きが生じてしまっている。
生成り色の試作機も改めて試聴すると同様の現象、見逃していたことが判明。
ダクトを延ばして、低域特性を良くしようと考えたのは安易だったと反省。
ダクトの長さを気にしつつ、改めて設計しなおそう。
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