ウェアラブルスピーカーの試作を振り返る(6)

前後重量分散型

その2:エンクロージャーを前後に振り分けてデイパックの形にする

肩に乗せる形だとずるりと落ちそうなので、再びデイパックの形に戻した。
そして、下の写真の試作を行った。
4つとも背中側に低音用のスピーカーと蛇腹と重りによる振動生成部を配置している。

各試作毎の色々試しているのだが、左上の試作機の内部は下のような構成になっている。
欲張って、トリプルバスレフの構成である。
緑色の空気室(エンクロージャー)は園芸用のチューブで出来ており、前後の身体を挟むことで大きな振動効果を得られるのではないかという期待を込めて作った。

 

音響特性は優れたものが得られたが、園芸用のホースが分厚く硬いせいか期待した振動が得られない。
重量も1kgを超えるものになってしまった。
そこで、残りの4つの試作機は空気室をスポンジの筒に置き換えてみた。

この対応により、軽量化とある程度の振動効果の改善が見られたが、蛇腹と重りによる振動が背中で発生することが、やや不自然な感じになっている。
また、胸部の第3空気室の振動効果が弱く、第2空気室は椅子にもたれた時は結構振動効果を感じるため、スピーカーも含めて、前後の部品配置を入れ替えることにした。
これは、背中側には空気室のみ配置することになり、理にかなっている。
つまり、ソファー等にもたれた時、スピーカー等の硬い材料が背中に当たらないし、スポンジの空気室はクッションとして働くわけだ。

つづく