越冬中
今年の夏、自分用の作業部屋が欲しくて、6畳ほどのユニットハウスを購入、住居のすぐ横に設置した。
設置は簡単なものである。
8か所に置いたブロックの上にクレーンで持ち上げてヒョイと乗っけるのだ。
一応、杭で4隅を地面に固定してもらった。
これで、台風は大丈夫ですかね?と尋ねると、たいていの台風は大丈夫だと思うが、でかい奴だと保証はできませんね、との答えだ。
うーんと不安になったが、幸いにも、今年やってきた台風はそれほど強くなかった。
今年の夏の強烈な暑さで、狭いユニットハウスの中は大変な状態になるのだが、エアコンをほとんど一日つけっぱなしで凌いだ。
困ったのは、雨の時だ。
ユニットハウスの入り口のドアの上にはひさしも何もないので、雨の日、靴やサンダルを外に脱いでおくと完全に濡れてしまうのだ。
自分でシートを買ってきて住居とユニットハウスの間に張ったりしてみたが、風雨が強いとパタパタとうるさく、すぐに外してしまった。
秋になって、なじみの大工さんに住居の屋根を中心に傷んだところの補修をたのんだ。
だいぶ大掛かりになって費用がかかったが、かかりついでに、不安だったユニットハウスの地面への固定の強化と、住居との間の1.5m程の空間に波板を渡して、雨が降り込まないように庇の設置を行ってもらった。
すべての工事が終わり、ストレスに感じていた雨の対策が出来たことで、気分良く年が越せると庇の波板を見上げていると、おや、垂木に枯れ葉がくっついているではないか。
出来たばかりの庇に蜘蛛の巣が張っているはずはないのに、変だなと思いしばらく見ていると、これは蝶だということに気が付いた。
こんなに葉っぱに似ているとは、もしかして、擬態で有名なコノハチョウではないのか?
しかし、コノハチョウは沖縄に生息し、鹿児島の徳之島あたりが北限では?
もしかして、熊本で発見されるのはスクープかもしれないと思い、ネットで見つけた「日本昆虫協会」というとこに写真を送って問い合わせてみた。
午後6時過ぎにメールしたところ、驚いたことに午後7時ころに返信が来た。(ありがとうございます)
「コノハチョウ」ではなく「タテハモドキ」という種類らしい。
ちょっと残念。
コノハチョウの翅は裏が木の葉そっくりの色と模様だが、対照的に表側は青色と黒にオレンジの帯の鮮やかさである。
タテハモドキの翅の裏はこれまた木の葉そっくりだが、表側は茶色に近いオレンジに黒い大きな目玉模様があり、コノハチョウとはだいぶ違う。
このタテハモドキを見つけて数日たつが、よほど居心地が良いのか、じっと同じところにとまっている。
一度、翅を半開きしたところを見たが確かにタテハモドキだった。
それにしても、木の葉に化けてじっと寒さに耐えている姿が、とてもけなげで、愛おしく思えてきたのでありました。
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